つぶつぶしたものが好きです。
雪野でーす。
さて、昨日から再会した「ヒコのこと」シリーズ。
タイトルに「付き合うキッカケ」って入れてますけど、一向に昂さん登場しませんね。
あーぁ。
一応、このブログの主人公(?)なんだけどなー;;;
まぁ、もうちょっとで出てきます。
暫しオツキアイを。
前回、「付き合うキッカケ4 ~灰色~」 の続きです。
約2ヶ月半ほど、私は山岸家で厄介になった。
朝、山岸家から会社へ行き、またココへ帰ってくる日々。
そんな中、新しい彼氏が出来た。
正確にいえば、ヒコとは別れきれていなかったから、「浮気」になるんだろうか・・・。
相手は、とあるところで知り合った、有貴(ユウキ)さんという、3つ年上の人。
優しさに引かれた。
今思えば、あの時はヒコのことで疲れきっていて、優しくしてもらえれば、誰でもよかったのかもしれない。
もしかしたら、「有貴さんと付き合うから」という理由付けのために付き合っていたのかもしれない。
もちろん愛情があったけど。
ただ、冷静には選べていなかったんだと思う。
正直なところ、ヒコのことでも頼れなかった。
というより、頼りたくなかった。
優しすぎて、傷つきやすい人だったから。
ただ、有貴さんと一緒に過ごすということを支えに、山岸やその家族の人たちと結託して、戦っていた。
その間、ヒコからは毎日のように電話やメールが「帰ってこい」との催促の連絡が来ていた。
もちろん、山岸家にも連絡は行っていたが、私が居ることは内緒にしてもらってた。
ストレスでよく体調を崩すようになり、体重は減っていないのに、周りからは「やつれたね」と言われるようになった。
精神的にも、肉体的にも限界だった。
山岸家の人たちはよくしてくれるけれど、やはり自分の家に帰りたい。
私が居ない間、私が払った家賃でヒコはのうのうと暮らしていることを思うと、余計に私の居場所を取り返したくなった。
(ちなみに、ヒコはウチでかかった家賃・光熱費などのお金は全体の3分の1程度しか払っていませんでした。)
そして・・・
決戦。
毎日かかってくるヒコの電話に出た。
「(電話をとる)・・・何?」
「何じゃないだろ。戻って来いよ。」
「嫌。ヒコが出て行かないと私も帰れない。アナタのことはもう好きでもなんでもないし、早く出て行ってください。ソコは私の家です。アナタには帰れる場所があるでしょ。私にはもうソコしかないのよ。だから出て行って。」
「はぁ?俺も家賃払ってるだろ。俺も住む権利はあるんだよ。」
「何言ってるの?半分も払っていないのによくそんな事が言えるね。契約も私の名前で契約になってるんだし、アナタには出て行ってもらう権利があるのよ!」
電話でそんなやり取りをしていました。
お互い喧嘩腰です。
そして、ヒコから「出て来い」といわれました。
半ば脅迫的な言い方で。
その頃は彼の声を聞くだけで、動悸が走り、手が震えるほど「恐怖」というものを植え付けられていました。
ある意味圧倒的な存在だった。
彼の申し出を了承し、1時間後、ファミリーレストランで落ち合う事になった。
ただ、一人で行く勇気はなかった。
そんな時に限って山岸は外出中でついてきてもらうことは出来なかった。
色々な考えを巡らせ、昂のことを思い出した。
彼に迷惑はかけたくなかったが、どうしようもなくなっていた。
手を差し伸べて欲しかった。
そして、それは彼がいいと思った。
私は震えながら、携帯を手にしていた・・・。
あの時の選択は間違っていませんでしたか?
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